尿酸値を下げるにはお酒やビールの適量を守って飲酒すればOK
痛風になった人の約95%は1週間にアルコールを5日以上飲んでいるというデータがあります。
生活習慣が原因になっている高尿酸血症や痛風の人は飲酒制限が非常に有効だと言われています。
ですが、きちんと1日の適量を守り、休肝日を設ければ基本的にお酒を飲んでもOKなんです。
尿酸値が高くなる原因のほとんどをお酒やビールに含まれる「プリン体」にあると思っている人が多いですが、それよりもお酒やビールに含まれる「アルコール」の方が問題なんです。
この記事ではアルコールが尿酸値を上げる原因や尿酸値を上げない飲酒の方法ついて説明しています。
プリン体よりもアルコール自体に尿酸値を上昇させる作用の方が大部分を占めている
最近までは、プリン体の多いビールと言われている時もあったようです。
アルコール飲料の中でもビールはプリン体の多い部類に入りますが、ビール350mlに含まれるプリン体は、わずか12~25mg程度しかなく、対して高プリン体の鶏レバーは312.2mg、カツオは211.4mgもあります。
高プリン体の食品と比べるとそうでもないんですね。
また、「プリン体の少ない焼酎やプリン体ゼロをうたっているビールならOKだよね」と勘違いをしている人も多いようです。
実はプリン体からの影響は2割程度しかなく、残り8割は体質と言われています。
ですから、尿酸値を上げてしまう要因として、プリン体による影響はほんの一部にしか過ぎないんです。
それよりも、アルコール自体に尿酸値を上昇させてしまう要因の方が大部分を占めています。
最近はテレビCMでも「プリン体ゼロ」をうたっているビールもありますが、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があるのだから、あまり意味がないというわけです・・・。
それに、プリン体というのは、アミノ酸、脂肪分と同じく、旨み成分の一つなので、プリン体を全てカットしてしまったら、普通のビールと比べたらうまいワケもないです。
商品を売るためのメーカーの策略にはまらないように気をつけましょう。
アルコールが尿酸値を上げる3つの理由とは?
アルコールが尿酸値を上げる原因は一つではありません。
アルコールが尿酸値を上げる要因その1
食べ物やアルコールに含まれているプリン体は、胃や腸で消化吸収されるというプロセスを経て体内に取り込まれてから、肝臓で尿酸に変わるというプロセスを経ます
しかし、アルコールは他の食べ物と比べても吸収が速く、すぐに吸収されるために尿酸値の上昇に結びつきやすい。
お酒やビールを飲みすぎた翌日に痛風発作が起きやすいのもこのためです。
アルコールが尿酸値を上げる要因その2
アルコールは体内で代謝された後には、最終的に水と二酸化炭素に分解されます。
その際にATPという物質が利用されますが、この残りカスから尿酸がつくられてしまう
アルコールが尿酸値を上げる要因その3
アルコールが体内で分解される際にできる乳酸には、腎臓からの尿酸の排出を抑制してしまう作用がある。
簡単にいえば、アルコールを飲酒すると、アルコールのプリン体から変わる尿酸と、アルコールから代謝される過程でつくられる尿酸が体内に増加することで、尿酸が排泄されずらくなります。
さらに、これに加えて、アルコール自体にプリン体が含まれていること。
アルコール自体がカロリーが高く、飲みすぎは肥満やメタボを進行させることも尿酸値を上げる要因に挙げられます。
高尿酸血症や痛風を患っている人にとって、毎日の楽しみだったお酒やビールはこんなにもデメリットがあるものだったんですね。
尿酸値を上げない飲酒の方法とは?
尿酸値を下げるためには「禁酒」ができることなら一番効果的だと思います。
しかし、お酒好きな人はそう簡単には禁酒なんてできません。
逆に、禁酒が原因でストレスが一方的に溜まってしまいます。
実は、きちんと1日の適量を守り、休肝日を設ければ基本的にお酒を飲んでもOKなんです。
アルコールの1日の適正量をしっかり守る
ビール | 中瓶1本(500ml) |
日本酒 | 1合(180ml) |
焼酎(35℃) | グラス半分(90ml) |
ウイスキー | ダブル1杯(60ml) |
ワイン | グラス2杯(130ml) |
このアルコールの1日の適正量を超えないようにしましょう。
尿酸値を下げるには週2日の休肝日を設ける
アルコールは肝臓で分解される過程で、2日酔いの原因にもなるアセトアルデヒドが生成され、毎日のように飲酒をしていると、肝機能障害を引き起こす可能性が高まります。
お酒を飲まない「休肝日」を設けるということは、肝臓を休ませるために必要なことです。
また、減量にも効果的ですし、体重が減ることにより、尿酸値も下がりやすくなるという効果も期待できます。
休肝日としては、週に2日は全くお酒を飲まない日を作るのが理想ですね。
なぜかというと、肝機能が完全に回復するにはアルコールが完全に無くなってから48時間必要と言われているからなんです。
休肝日の立て方のコツとしては、曜日で決めるより自分のスケジュールに合わせるようにすると長続きしやすいです。
仕事の接待などの飲みや友人との飲みの約束なども予定があらかじめ、わかっているのであれば、それ以外の日に休肝日を設けるようにしましょう。
また、急な予定変更などがあれば、振替休肝日をつくりできるだけ週2日の休肝日を守れるようにすれば、尿酸値も下がりやすくなると思います。
どうしても飲みたいという時は、ノンアルコールビールや炭酸水で我慢をするという荒技もあります。
また、尿酸値を上げる原因になるアルコールやプリン体を吸着して排泄するユーグレナのような食品を利用するのも尿酸値を下げる一つの方法として有効です。
詳しくは下記の記事で紹介しているので参考にしてみてください。