自覚症状がほとんどない無症候性高尿酸血症の人が増加中
「健康診断や人間ドッグで尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)と指摘されたけど自覚症状がほとんどない・・・。」
という人も多いと思います。
実は、尿酸値が7.0mg/dl 以上の高尿酸血症の人でも必ず痛風発作を引き起こすわけではありません。
このように尿酸値が比較的高いにもかかわらず痛風発作や症状が全く現れないことがあります。
この病状を無症候性高尿酸血症と呼びます。
無症候性高尿酸血症が厄介なのは自覚症状がほとんどないということです。
健康診断や人間ドックで「尿酸値が高いと指摘されたけれど痛風発作が起きていないんだから別に大丈夫だ」といって生活習慣の改善をしない人もいて、それが気づかないうちに他の合併症が進行してしまう要因にもなっています。
僕も2回目の痛風を味わって、ようやく生活習慣の改善に取り組みました。
この記事では、無症候性高尿酸血症の特徴について説明しています。
無症候性高尿酸血症に自覚症状がない理由
人間の体内には、約1200mgの尿酸が血液や体液に溶け込んで蓄積されています。
しかし、痛みや違和感など感じません。
これは、尿酸自体に体を刺激する作用がないことが挙げられます。
ですが、血液に含まれる尿酸が7.0mg/dL以上になると、尿酸はそれ以上に血液の中に溶け込むことがでず、体内に蓄積されていきます。
すると、増えすぎた尿酸は、尿酸塩(塩化ナトリウム)という結晶になります。
痛風は尿酸塩が関節に蓄積されて、剥がれ落ちると、体がそれをようやく異物として認識して、免疫細胞である白血球が攻撃します。
痛風発作の際の激痛は、このときに白血球が放出した生理活性物質が毛細血管を拡張して、その部分の血流が著しく増加することで起きるからです。
無症候性高尿酸血症は気づかないうちに他の合併症が進行する
無症候性高尿酸血症でも合併症は生じます。
その中でも代表的な合併症は、
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 心臓病
- 脳梗塞
- 脳出血などの脳血管障害
- 尿路結石
- 高血圧
- 脂質異常症(高脂血症)
などの生活習慣病も含まれます。
ですから、自覚症状がないからと言って、以前のような不摂生な生活習慣を続けているとこれらの病気は進行していきます。
症状がようやく出てきて、病院にいったら、すでに腎機能の低下を引き起こしており、透析生活を余儀なくされた人もいるようです。
なので、自覚症状があるないに関わらず尿酸値を下げる生活習慣の改善をすることが他の合併症の病気のリスクを最小限にすることができます。
中には、生活習慣を改善しても体質の関係で尿酸値が9.0mg/dl 以上ある場合、
すでに尿路結石や腎臓障害、高血圧などの合併症を引き起こして尿酸値が8.0mg/dl 以上あるような場合は薬物療法行う場合があります。
無症候性高尿酸血症の予防早期発見は定期的な検査しかない
無症候性高尿酸血症は自覚症状がありません。
そのため、早期発見するためには病院で定期的な検査を受けるしかありません。
健康診断や人間ドックで毎回のように尿酸値が高いと指摘されている人は、特に注意が必要です。
症状が出ないからといって、何の対策も行わないでいると、後で取り返しの付かないことになりかねません。
特に、腎臓は一度機能が低下すると二度と元には戻りません。
尿酸値が7.0mg/dl 以上でたとえ自覚症状がない人でも、早めに専門医を受診して、医師の指導を受けて生活習慣の改善に取り組みましょう。